「ヒル魔、こっち!」








「ちょっ 、待てって」








繋いだ手。








そこから感じるぬくもりが








俺は好きなんだ








+ 君 と 夜 空 と 夏 祭 り +










「ヒル魔!」








「おぅ」








夕暮れ時、俺はと夏祭りに行くため、待ち合わせをした。








「ゴメンね、待った?」







「いや」








待ったっつっても、たったの5分。








浴衣着たり、髪結い上げたりしてたら、遅れるわな。








「わーヒル魔、浴衣似合うね」








俺の格好を見て、は言った。








「そうか?・・・俺としては、お前の方が似合うと思うけど」








ぜってぇそうだって。








黒地に映える梅の花、鮮やかな簪で結い上げられた髪・・・








やべぇ・・・そそる。








「じろじろ見過ぎ!厭らしい〜」








を見つめていた俺に、頬を仄かに染めて言った。








そんなを、ぎゅ と抱きしめながら呟く。








「厭らしくて結構。」








「なにそれ」








「安心しろって。お前以外、こんな目で見る気はねぇから」








ちゅ と軽く音を立てて、の唇にキスを落とす。








「オラ、行くぞ」








「ちょ、待ってよ///」








抱きしめていた腕をほどき、左手での右手を包みこむ。






























「ヒル魔、歩くの速いって」








暫くしてはそう言いながら、俺の手を くぃ と引く。








「そうか?いつもと変わんねぇと思うけど?」








「草履になれてないからかな・・・?」








「・・・抱っこしてってやろうか?」







にやり、口端が上がる






「い、いいよ。しなくて///」








「・・・して欲しくなったら言えよ?」








ばか、にそう呟かれながらも、祭会場へと足を進めた。































「わぁ・・・混んでるね」








「そーだな」








「ちょっとでも離れたら、迷いそうだね」








「こりゃあ、ピッタリくっついてなきゃなんねーな」








仕方ねぇなぁ、と棒読みで言った後、の腰に手を回した。








「俺から離れるんじゃねーぞ」








「うん、勿論」








はそう言って、俺の肩に頭を預ける。








ちょ、まっ・・・ ・・・ただでさえ俺の理性が危ねぇってのに;








押し倒して、の桜色の唇にむしゃぶりつきたくなるのを何とか押さえて、








その唇に、軽くキスを落とす。



























「花火まで、まだ少し時間あるけど・・・ どうする?」








俺の顔をのぞき込んで尋ねる








「そーだな・・・なんか食うか?」








俺、腹減ってきた・・・








ココはやっぱりを喰うしかねぇっ!(ヲィ








「林檎飴が食べたいなw 買ってきていい?」








「いちいち聞くなよ。 ホラ、行くぞ」








そう言って俺は、の手を引きながら歩く

















「林檎飴1つ」








「はいよ。・・・あそこにいるの、あんたの女かい?」








「ん?あぁ」








「えらい上玉だな」








「だろ?」






俺もそう思う。








「今夜は花火もあるし・・・ 今日はチャンスか?」








「今日も、だよ」








店のオヤジにニヤリと笑ってみせた。










「お店の人と、何話してたの?」








「今日は花火が綺麗に見れるぞ、って言われただけ」








「そうなんだ、早くみたいね」








「あぁ。・・・ほらよ、








「あ、お金払うよ」








「んなもんいらねぇよ ・・・食わねぇなら、俺が食っちまうぞ?」








「わぁあ!食べます! ・・・ありがとう」








「ん」








は、俺から受け取った林檎飴をぺろぺろと舐めた。












「美味いか?」








「うん、美味しいよ。 ヒル魔もどう?」








くっ と林檎飴を俺に差し出す








甘いのは苦手なんだけどな・・・








「あ、甘いの苦手だもんね」








は、差し出した手を引っ込めようとした。








俺は、その腕をがしっと掴む








「甘いのは苦手だけど・・・慣れれば何とかなるわな」








「・・・どうやって慣れるの?」








頭の上に疑問符を並べている








「こうやって・・・」








ガリッ の持っていた林檎飴の端っこにかじり付く。








「っ、ん・・・」








飴の欠片を口に含んだまま、の唇に自分のそれを押し当てた。








逃げないように、の頭を自分の手で固定することも忘れない。








「ふっ、ん」








舌を入れ、飴の欠片をの口の中へ移す。








この動作を何度も繰り返した。








「はぁ、はぁ」








さすがに苦しかったのか、肩で息をする








「甘いのには、の体で慣れる」








にっ と笑ってみせる。








 その時








ピュゥゥゥゥゥゥゥ








何本もの光の線が、天空を舞う








ドォォォォン








激しい音の前には、煌びやかな光の華が夜空を彩る。








「花火、始まったね」








「そんじゃー俺らも始めッか」








「・・・何を?」








「何をって・・・」











" さっきの続き "











耳元で囁かれたその言葉で、の顔は桜色に染まった。








「だ、だってココ外じゃない!」








「花火をバックにヤるってのも、なかなか体験できねぇぜ?」








じりじりと、俺はを壁際に追いやる








「花火見せてよ、ヒル魔」








そう言うの背後には壁が迫っていた。








「俺の体越しに見ればいいだろ?・・・それに」








とんっ の背中が壁についた








「もう我慢できねぇ」








俺は夢中で、の体に 真っ赤な花火を咲かせた



























































「もう、ヒル魔のせいで花火見れなかったじゃない」








はだけた浴衣を直しながら、は言う。








「安心しろって、ファッキンデブ達がビデオ撮ってっから」








額の汗をぬぐいながら、俺は言う。








「生で見たかったのに・・・」








「生でしたかったって?」








ニヤリ、口端が上がる








「な、何言ってんの!」








その直後、俺の頬からは小気味いい音が響いた。



































次の日。








「ヒル魔さん、昨日の花火見ました?」








「あー。の花火なら見た」








さんの花火・・・?」








顔を赤くしながら、俺を追いかける、の姿があったとさ。
















+ fin +


















+ 後書き +

ぁゎぁゎ・・・ なんだろうコレは;

ネェ、ナンデショウコデハ。(まずお前がなんだ

またまた危ない方向が、ちらほらな作品書き上げちゃいました。。。

えー・・・只今、午前 26 時 06 分 にございます(2:06

夜中ですから・・・ こういうネタが書きたくてしょうがないんですよ(開き直り

・・・でも、私の夢って、どうしていつも

" 押し倒す " 系な言葉が出てくるんでしょうね・・・?(聞くな



この作品、北斗と、よくココに遊びに来てくださる、

カミノ姉さんと一緒に、地元のお祭りに行ったときに思いついたネタでございます。

清純そうな顔して、こんな事考えてました。ハイ。(何処が清純だっ

因みにこの背景、椿がそのお祭りで撮った写真でございます。

もっといい写真撮れなかったのか!・・・って言うツッコミは勘弁を(笑




ココまで読んで下さったさん

有難うございました。^^



感想、誤字・脱字の報告は、椿まで。